富士登山の旅(その2)

2007-08-22 (水)
- 紀行文/東海地区

悪天候の中ついに須走口新五合目に到着。準備を整え、れっつ登山。

新五合目(標高2,000m)にて

富士登山で怖いのは高山病(※1)と言われてます。

(※1)高山病……慢性酸素不足からおこる症状(呼吸困難、頭痛、めまい、食欲不振、脱力など)。年齢、経験に関係なく発症する。

途中で高山病にかかってしまっては山頂は諦めるほかありません。しかしある程度予防することはできるようです。
主なものとしては、

  • ゆっくり歩く
  • 水分をこまめに取る
  • 高所で体を慣らす
  • 腹式呼吸をする

といったものが挙げられます。
まず言われているのが、五合目に到着→即しゅっぱーつ!ではなく、五合目で1時間ほど時間を潰し体を慣らすこと。
我々もその先人たちの教えに従って、五合目で弁当(夕食)を食べながら体を慣らすことにしました。

しかし驚いたのが五合目でもう肌寒い。
下界ではTシャツ1枚で過ごしていたものの、五合目の時点でとてもTシャツ1枚では過ごせず。
上に1枚服を羽織ることにしました。

弁当を食べている間にも日はあっと言う間に暮れて夜の帳が下りてきました。
下界に目を向けると雲の切れ間から街の灯りが夕闇に浮かび上がっています。

御殿場市街の灯り fig.五合目から御殿場市街を望む

途中、恐怖を感じたの視界1mの道路があの雲の下にあるかと思うと、なんとも不思議な気持ちです。
雲は依然として垂れ込めているものの、雨も上がり(下界の雲を抜けたため?)、すでに気温が低いことを除けばまずまずの状況。
しかしご来光が望めるかどうかはかなり微妙。運次第といった感じでしょうか。

出発前にトイレに立ち寄ります。
ちなみに富士山のトイレは整備されてきたとはいえ、立派なものではありません。しかもすべて有料(100円~200円)
有料とはいえお金を入れないと扉が開かない……などいうことはありません。
募金箱みたいなものが設置してあり、あくまでも利用者の良心に任されています。
毎年、糞尿処理には莫大な経費がかかるようですので、富士山の環境保全を考えるのならば支払っておくのが吉。

五合目トレイの前に富士山関係者と思われる爺さんが立っていました。
1人の青年がトイレから出て立ち去ろうとした瞬間、その爺さんはドスの効いた声で

おい、兄ちゃん。金払っていけや

きょ、恐喝………?

頑強な山男の怖さを垣間見た気がしました。……こんなのに絡まれたら間違いなく死ねる。

出陣

19時30分。
準備を整え、いよいよ出陣です。背負ったリュックの重みをひしひしと感じます。
心なしか息苦しいような気がしました。たぶん緊張しているせいでしょうけど。

"新五合目"と書かれた標識の前で登山の安全と願って出陣式。
……とは言っても、記念撮影しただけですが。

須走口五合目 fig.いよいよ山頂目指して出陣

こういう暗い場所で撮影ときには「一眼レフのデジカメが欲しいなぁ」などつい考えてしまいます。
ピンボケですまぬ。これが限界。

みやげ物屋を抜けると、いよいよ登山道です。
100mも歩かないうちに石造りの鳥居が見えてきます。ここが古御岳神社。
神社と言ってもショボイ社が一つあるだけで、他は何もありません。神社というよりただの掘っ立て小屋ですか?

ここまでは登山道もある程度舗装されていて歩きやすいのですが、この神社を抜けると本格的に山道です。
鬱蒼とした樹林帯に囲まれた森の中を"登山道"と書かれた案内を頼りに歩きます。

ちなみに周囲は真っ暗ですので、何も見えません。
ただ自分の足下を照らすヘッドランプの灯りを頼りに登っていきます。

隊列は先頭からS藤さん、T嶋君、T橋君、私、弟の順で登っていきます。
いざ歩いてみるとT橋君のペースが異常に遅い。気付いたらT嶋君とT橋君の間が開いてしまい、そのたびに声を掛けて待ってもらっていました。
おそらく昨年の高山病の事があり、意図的にペースを落としているのでしょう。だいたい1秒間に30cm~50cmのペースでしょうか。
初めこそT橋君の直後を歩いていた私は、ペースの遅さにイライラしていたものの、やがてそのペースにも慣れました。

富士山の登頂を成功させるコツは最初の1時間をゆっくりなペースで歩くことだそうです。

このように我々のパーティーはかなりの亀ペースで登っているため、後発のパーティーによく越されました。
大学生と思われる10人ぐらいのパーティーに、かなりのハイペースで抜き去っていかれたのには驚きました。

まずは20分ほど歩いて1回目の休憩。軽く水分補給。
まだまだ体力は十分にありました。富士登山なんて所詮ハイキングだ。このペースなら楽に山頂まで行ける。
まだそう考えていました。

こまめに小休止をとりながら登山道をひたすら歩きます。
周囲は風が轟々と不気味なうなり声を上げ、周囲の熱帯樹は盛んに枝葉を互いにぶつけ合って、ざわざわと音を立てるものの不思議と中は無風でした。

雨に降られること

1時間ほど歩いた頃でしょうか。
バラバラという音と共に雨粒が降ってきました。ただ頭上も樹林に覆われて傘の役目になっていたため、雨粒はわずかしか感じられませんでした。
途中追い越されたオジさんオバさん集団たちが雨具をつけるため途中休憩しているところに追いつきました。
リーダーS藤さんの
「この程度の雨なら大丈夫。今、雨具をつけるとかえって汗で蒸れて体力を奪われる」
という好判断で、我々は雨具をつけずにその集団を再び追い抜きました。

……と、思ったら少し歩いたところで再び追い抜かれました。ペースはえぇな。

突然樹林帯を抜け、岩場地帯に出ました。
これまで周囲に見えるのは、ひたすら木、木、土ばかりだったのですが、その視界が一気に開けました。
空を見上げると、ただ雲が暗く立ちこめた夜空、そして僅かに判る山の斜面に沿って、山小屋の灯りがポツ、ポツと10個程度見えるのがわかります。
この山小屋の灯りで一番下にあるのが、最初の大休憩場所である六合目。

五合目で見えた距離から一向に縮まっている感じがしません。
登れど、登れど、灯りは遠くへ逃げていっているようなそんな錯覚を覚えます。

そしてパチンコ屋のサーチライトが空襲警報時のライト如くゆらゆらと、雲を照らしています。
まさに雰囲気ブチ壊し。
朝鮮玉入れはとっとと荷物まとめて祖国へ(・∀・)カエレ!

麓を見れば五合目で見た御殿場方面の街の灯りが、より小さく感じられました。下界からの距離は確実に離れているようです。
そして違う方角を見れば富士吉田市の街の灯りを見ることが出来ました。

小雨なれど一向に止む気配はなく、そして頭上を覆う木々もなくなったので、この辺りで雨具を装着することに。
雨具をつけるとそれなりの保温効果を生みだし、少し元気が出てきました。
再び自然が作り出す岩の階段を登ります。

晴れていれば景色も良いのですが、今は曇り。しかも夜。見えるのは街の灯りだけ。
途中、黒い龍を想像させるような不気味な雲が御殿場方面を覆っていたので、珍しく思ってみんなで写真を撮ってみたのですが……。

黒龍のような雲……のつもり fig.……真っ暗だ

photoshopで調整して、この体たらく。やはり高性能一眼レフのデジカメじゃないと……。

樹林帯を歩いていたときに、あれほど轟々とうなり声を上げていた風も、この岩場付近ではほぼ無風。
どうやら運が向いてきたようです。

もうこの時点で足のふくらはぎがパンパンに張ってしまい、歩くのが億劫な状況になってきました。
まだ最初の目的地点にも到達していないのに……。
この先どれくらい続くのでしょうか。
次第に小休止が有り難くなってきていました。

ところがS藤さん、小休止を5分も取らないうちに
「じゃぁ、ぼつぼつ出発しましょうか」と鬼のような発言。
S藤さん曰く、あまり休憩を長く取っても効果がないそうです。

しかしまだこの時は休憩中にT嶋君たちと
「いやぁ、さすが日本最高峰。ビリー先生もビックリだろ、これは」
「ホントですよ、ビリーも一度登ってみろってんだ」
などと初挑戦者同士、皮肉を言い合う気力がまだありました。

(つづく)

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