夏休みに入っても教員は民間企業と同様に毎日出勤なのですが、業務内容は大きく異なります。
部活や補習以外のお客様がいらっしゃらないので、職員室ではゆっくり時間が流れています(チャイムも鳴らない)
学期中は毎日膨大なストレスに晒されるこの職業。
この仕事を長年続けていられるのは、「夏季休業があるからだ」というのが現場でのナマの声なのです。
そんな夕方の職員室で持ち上がったこの話題に職場内は騒然。
それが、
「教員免許更新制度」
不適格教員を現場から排除したい。
そんな理念から導入が決まった教員免許更新制度。10年に一度、大学で30時間の講習を受け修了認定試験に合格すれば免許を更新できるという制度。
はっきり言わせてもらえれば、悪法である。
別に民主党支持者ではないが、この時ばかりは安倍氏ねと本気で思った。
だったら不適格医師とか不適格弁護士も現場から排除しろよと言いたい。
職員室で話題になったのは、いよいよ今年度末(来年3月)に初めての免許更新期限が来るということ。
ちなみに該当者で今年度末まで更新できなかった教員はどうなるのか?
……自動的に失職。
失職になれば退職金はゼロ。そのまま業界から追放されるのです。
こんな酷い話があるだろうか。許し難し!
ところで なぜこの問題に自分がこんなカリカリしているのかというと、自分の免許が来年度末に更新期限を迎えるからなのです。
今年度と来年度に30時間講習を受けなければ自分が失職。
何年に教員免許状を取得したのか……ということは全く関係なく、更新対象者は生年月日で決定されるこの制度。
そのため教員免許状を取得した翌年にもう免許更新という可能性もなきにしもあらず。
その話を聞いて驚いたのが自分。
大学の30時間講習を受けなければ……!途端に焦りだした。
ところがこの受け入れ制度がまた酷いのなんの。
来年度末に期限を迎える自分が余裕ぶっこいていたのには理由がある。
30時間分の講習なんて自分が空いている時間を見つけて、大学に行けばいいのだろう。たった30時間だ。来年でもなんとか間に合う。
……そんな風に考えていた自分がいましたよ。
他の先生方からは
「交通費、受講料が自腹なのは納得いかない!」とか
「申し込みがWebでしかできないので(操作が)判らない!」
という話を聞いていたのだが、むしろそんな問題はどうでもいい(※1)
(※1)そんな問題はどうでもいい……そんな訳の判らないこと言っているから免許更新しる!と世間から言われるんだよ。
教員免許更新講座を開設している大学は限られている。
文部科学省のサイトにリストがある。東京にならそこそこあるが、地方に行けば悲惨なものだ。
そして早速、自宅から近い大学のサイトで教員免許更新講座を申し込もうとしたの……だが……
今年度の募集は締め切りました
悲しい文字が画面上を流れているだけなのであった。
調べてみると教員免許更新講座は通年ではなく夏休み中だけに開設されるケースがほとんど。
そのための募集が4月から6月に行われ、その期間に申し込まないとその年はもう講座が受けられない。
しかも各大学定員はかなり少なく(数十人単位)、溢れた場合は先着順、または抽選になる。
そして今年度は制度自体の存続も危うくなり、文科省の大学リストに載っていても「講座の開設を廃止しました」と手を引く大学まで現れる始末。
早い話が今から申し込んだのでは、 も は や 手 遅 れ 。
30時間講習対象者は翌年と翌々年に更新期限を迎える人のみなので、 つまるところ、年2回のチャンスを逃す → 免許更新できない → 失職フラグが立ってしまうのだ。
今年度末に最初の更新期限を迎える教員免許更新制度。
このままだと年度末に失職者が大量に出る。まったく凄い制度だよ。
そして年2回のチャンスうち、すでに1回目を逃してしまった自分。
どうする!?免許更新。
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